本物から本質へ、人の心を動かすものづくりを
2025年は、SUNSET BAY立ち上げから10年を迎えた特別な年となった。
今年最後に、我々が目指すものづくりの在り方について、あらためて振り返ってみたいと思う。
本物を追い求め、新たなレールを敷く
洋服の歴史はとても長い。人間が身を守るために身につけ始めた頃は、暖かさや丈夫さなど、その機能性だけが求められていた。
そして徐々に自分を表現する役割を持つようになり、かっこよさや個性的であることが重要視されるようになった。
長い歴史の中で、「本物」と呼ばれるヴィンテージもあれば、レプリカも生まれ、ヴィンテージを踏襲して新しい要素をMIXさせたオリジナルもあり、その広がりは無数の可能性を秘めている。

どんなものづくりも、最初は既存のレールをなぞるところから始まる。
そこから経験を重ね、固定観念を打ち破り、独自の価値観や信念が徐々に生まれていく。そこではじめて確固たるブランドとして、新たなレールを敷くことができるのではないだろうか。
SUNSET BAYも、当初はスタンダートから始まった。
まだ馬革のライダースジャケットが日本に多く出回っていない時代。輸入物のヴィンテージに数多く触れる中、「もっと日本人の体にフィットして、さらに機能的で着心地の良さも追求したライダースジャケットを作りたい」という想いから作り始めた。
あれから10年が経ち、さまざまなモデルが増え、革の種類も多様になり、あの頃には想像できなかった世界が見えている。
成功も失敗もすべて含めて、この10年の軌跡が、今のSUNSET BAYを強く輝く唯一無二のブランドに導いているのだ。
「自身のため」が、愛される喜びへ
SUNSET BAYのコアにあるのは、ジャーニー加藤自身が「本当にかっこいいと思うもの、自分が着たいものを作る」というものである。
しかし、単純にそれだけあれば、自己完結してしまうだろう。
ファッションに携わる中で、最大の喜びはやはり「お客様が誇れるものを提供する」ことだ。
デザインから革選び、製作過程まで、すべてにおいて妥協なくこだわり抜いたプロダクトは、まさに我が子のような存在。
それをお客様が買ってくださるのはもちろんうれしいし、その先にあるお客様の笑顔や感動、プロダクトへの愛を感じたときが、もっとも幸せな瞬間といえる。
ものづくりの本質は「人」にしかない
AIが発達した現代、「売れる革ジャンを作って」と指示すれば、膨大なデータから分析結果を出してくれて、その提案が本当に正解になるのかもしれない。
しかし、AIには心も感性もない。一般的で定量的な正しさは知っているかもしれないが、人の心の機微や、曖昧な美しさ、触感やにおいなど、そういったものは到底わからないだろう。
はじめから「売れるもの」を狙って作り始めたら、それはもうブランドの本質を損なってしまう。「売れる」を追い求めた先に残るのは、擦り切れた感性と、空っぽの魂である。
人の心を揺さぶるようなものづくり、人の心を動かすプロダクトは、同じく人の心と生きた情熱からしか生まれない。
言葉にはできない、人間の感性や感覚を尖らせて、これからも追求していきたいと思う。

SUNSET BAYという船を、より強固なものに
ものづくりは一人ではできない。
企画を練り、材料を探し、職人が作り、スタッフがサポートする。
アイデアや技術も、多才な仲間の協力があるからこそ実現するし、理想のプロダクトにより近づけることができるのだ。
仲間を募って同じ船に乗る海賊団のように、一人ひとりの個性を活かし、ものづくりという名の航路を共に旅する。
SUNSET BAYはいわばひとつの船で、どんな嵐が来ても沈まない、唯一無二の強固な船を、今まさに作り上げている過程にある。
10年という節目は、ものづくりの本質に立ち返り、これまでの感謝とこれからの希望を、あらためて胸に刻む一年になった。
これから先、どんな道を選び、どんな壁にぶつかることがあったとしても、
この10年で得た感謝と覚悟を胸に、決して歩みを止めることなく、真摯にモノづくりと向き合い続けていきたい。
-10 Years of Supreme Outshining-
次の10年も、その先の未来も。
皆様の人生の一部に、SUNSET BAYのプロダクトがそっと寄り添える存在であり続けられたなら、これ以上の喜びはないだろう。

